美術館と宮殿

バターリャ修道院博物館（Museu do Mosteiro da Batalha）
この博物館は、ゴシック建築の傑作で1933年から世界遺産に指定されているバターリャ修道院（Mosteiro da Batalha）の食堂だった場所を利用しています。ここはポルトガルが参加した1914年～1918年の戦争の記憶を後生に残していくための博物館です。

ポルトガルは、当時アフリカにあった植民地を守るために、この戦争へ参加しました。当時、ドイツはポルトガルの植民地であったアンゴラとモザンビークを併合し、独自の植民地帝国をつくりあげようとしていました。ポルトガルは、そうしたドイツの計画に脅かされていた植民地を守ろうとしたのです。

英国側についてフランスとベルギーの国境地帯で戦いを繰り広げていたポルトガル軍は、ラ・リスの戦いにおいてドイツ第6陸軍の猛攻により壊滅状態となりました。

無名戦士の墓がある教務院は、食堂と同様に王の回廊と隣接しています。壮大なアーチ型の天井があり、ヨーロッパの中でも最も大胆なゴシック建築の例に数えられています。戦いの間兵士たちを見守った「塹壕のキリスト」のまなざしの下、永久に燃え続ける「国の火」をともす記念碑的なシャンデリアに照らされた、この飾り気のない無名戦士の墓は、フランドルの塹壕の中で死んでいった何千ものポルトガル人たちの象徴です。