場所

エストリル
世界に名だたるリゾート地であるエストリル（Estoril）は、国際色豊かなナイトライフの中心地であり、サマーリゾートとしてのありとあらゆる設備を備えた一大センターでもあります—ビーチ、一流ホテル、ゴルフ・コース、カジノ、さらにはモーター・サーキットまでそろっています。

地域一帯の変更計画がもちあがったのは、20世紀初頭のことです。その理由として、当時行楽地として注目を集めはじめていた海に近かったことがなによりもまず挙げられますが、それだけでなく、その頃大流行していた温泉がこの地に湧いていたことにもよります（現在は閉鎖されています）。

豪華な一大リゾート地の中心となったのは、公園とカジノでした。（カジノはエストリルのトレードマークでもあります。）さらに、それを囲むように、さまざまな建物、アーケード、一流ホテル群が配されました。

かつてエストリルは、海岸沿いに点在するいくつかの要塞で知られていました。それらは、リスボン（Lisboa）への侵入を可能とするこの地の守りを確かなものとするために築かれたものでした。また、16世紀には、フランシスコ托鉢修道会によってこの地に隠遁所が築かれました。現在これは、サレジオ会のコレジオ（Colégio dos Salesianos）となっています。

1930年代、エストリルはポルトガル有数の観光地となり、王位を失ったヨーロッパ諸国の王族が、この地を亡命生活の場に選びました（スペイン国王ファン・カルロス（Juan Carlos）もその一人です）。

第二次世界大戦中は、作家、政治家、芸術家、商人などの避難所となり、ナチス・ドイツの迫害を逃れた多くのユダヤ人の亡命先ともなりました。