美術館と宮殿

サン・ロケ博物館（Museu de São Roque） この博物館は、宗教的な慈善施設サンタ・カーザ・ダ・ミゼルコルディア（Santa Casa da Misericórdia）の所有する品々を公開した展覧会に端を発しています。この展覧会は、ヴァスコ・ダ・ガマのインド到達400周年を記念すると共に、イエズス会による東洋での布教活動を祝って、1898年にリスボンで開かれました。 この博物館の所蔵品は、4つのセクションに分けて展示されています。そのセクションには、リスボンのサンタ・カーザ・ダ・ミゼルコルディアの遺産、サン・ロケ教会と聖ロケの伝説に関する絵画等の作品、サン・ジョアン・バプティスタ礼拝堂（Capela de São João Baptista）の至宝、かつてのイエズス会の所蔵品、の4つがあります。イエズス会は、サン・ロケ学校を創設時（16世紀）から同会がポルトガルから追放される1768年まで運営していました。 この博物館で見ることのできる多数の貴重な品々の中でも、聖ロケの伝説に関する絵画、グレゴリオ・ロペスの作といわれるポルトガル王ジョアン3世とその妻カタリナの肖像画（16世紀）、慈愛の書、マヌエル1世とレオノール王妃の婚礼を描いた絵画（16世紀）は特に見逃せません。