美術館と宮殿

サカヴェン陶磁器博物館（Museu de Cerâmica de Sacavém） サカヴェン工場は、1856年にマヌエル・ジョアキン・アフォンソが設立し、ジョン・スコット・ハワース、ジェームズ・ギルマン、クライヴ・ギルバートが引き継ぎました。ファイアンス焼きの製造で有名になり、当初よりヨーロッパで最高の陶磁器工場のひとつに数えられていました。 この工場が評判となった理由のひとつは、長石を使ったファイアンス焼きの食器類の大量生産をポルトガルで初めて手がけた工場がここであり、アズレージョや便器やモザイクの大量生産を最初に始めた工場でもあったことです。

このように数々の成功をおさめ、革新性を持ちあわせていたにもかかわらず、この工場は時代の変化に適応することができず、1979年に倒産しました。それから10年の時を経て、かつての工場の記憶を後世に残していくために、2000年に陶磁器博物館がオープンしました。この博物館は18番の窯を中心につくられています。窯は円形をしており、美しさに定評があったサカヴェン工場のさまざまな製品が通っていった取り出し口が10ヶ所についています。その他のスペースは、すべてこの窯を中心にアレンジされており、5,000点を超える磁器と約100点のアズレージョが展示されています。 複数の展示室と、テージョ川（Rio Tejo）を見渡せる素晴らしいテラスがあるほか、作業所では以前サカヴェン陶磁器工場で働いていた作業員が再現する昔の製造工程を見学することもできます。

サカヴェン陶磁器博物館は、英国のヨーロッパ博物館フォーラムから、産業遺産部門の最優秀賞を授与されています。