美術館と宮殿

国立考古学博物館（Museu Nacional de Arqueologia）
この博物館は、国際的にその名を知られたポルトガル人民族学者で言語学者でもあったジョゼ・レイテ・デ・ヴァスコンセロス（1881－1941）によって、1893年に設立されました。16世紀に建てられたジェロニモス修道院（Mosteiro dos Jerónimos）の一部を利用しています。ジェロニモス修道院は、ポルトガル発見の歴史における記念碑的存在であり、UNESCOの世界遺産に指定されています。

この博物館の幅広い膨大な数の所蔵品は、現在ポルトガルとなっている土地での人間の進化の歴史について学びたい人にとって、欠かすことのできない重要な資料です。ここのコレクション（ヨーロッパでも有数の中石器時代・巨石時代のコレクションを所有）は、はるか古代にはじまり、この半島の伝説的な富に引きつけられてやってきたフェニキアやギリシャの商人や船乗りたちの影響、長期にわたってこの地を支配し独自の社会や政治体系の証拠を数多く残した偉大なローマ文明やアラブ文明まで、幅広い時代をカバーしています。

この博物館は、考古学、民族誌、金石学、古銭学に関する幅広いコレクションを活用し、定期的に企画展を開いています。こうした企画展では、特定のテーマに沿って、包括的な時代背景を踏まえた展示を行うことにより、一般の人がその文化的価値をよりよく理解できるようにしています。

常設展示には、いつの時代も人々を魅了する黄金の魅力を放つポルトガル考古学の至宝セクションや、それよりも規模は小さいものの内容の充実した古代エジプトのセクションがあります。