美術館と宮殿

ピニェイロスの屋敷（Solar dos Pinheiros） 教区教会に程近い歴史的な地区の中心部にある15世紀に建てられたこの古い屋敷は、ポルトガルに現存する中世の民間建築の数少ない例のひとつです。 この屋敷は、川を見渡す景観のよさを生かし、市民法と教会法の権威であったペドロ・エステヴェスによって1448年に建てられました。ただしこれには異論もあって、ペドロ・エステヴェスの義父トリスタン・ゴメス・ピニェイロが建てたという人もいます。実際この屋敷は、何代にもわたってバルセロスを統治してきたピニェイロ家の住まいとして使用されていました。 当時の典型的な様式を反映し、この屋敷は2つの高い塔に低い中心部分がはさまれた形をしています。扉部分の尖頭アーチと、南に面した塔の珍しい装飾（女性の像と髭をはやした男性の像）は特に目を引きます。この男性の像は、娘イネス・ペレスとアヴィス王家の当主ジョアン1世が密通していたことを知って、怒りのあまり自分の髭をむしり取ろうとしたという、イネス・ペレスの父「バルバダオン（髭面）」を表していると考えられています。このイネス・ペレスとジョアン1世の間に生まれたのが、8代目バルセロス伯爵であり初代ブラガンサ公爵となるドン・アフォンソです。 ピニェイロ家の一族は教区教会の礼拝堂に眠っており、今もその壮麗な墓を見ることができます。