美術館と宮殿

レオノール王妃博物館（Museu Regional Rainha D. Leonor）－ベージャ（Beja）
1927年に創設されたレオノール王妃博物館は、主要コレクションが展示されているコンセイサン修道院（Convento da Conceição）と、西ゴート時代のものが展示されているサント・アマロ教会（Igreja de Santo Amaro）からなっています。

主な所蔵品には、ジュリウス・シーザーの頃までさかのぼるローマ時代の遺物を展示しているローマの部屋や、さまざまな墓石や家紋を含む中世の碑銘や紋章などがあります。回廊の2階部分には、考古学者フェルナンド・ヌネス・リベイロが市に寄贈したコレクションの数々が展示されています。このコレクションは、青銅器時代から現代まで、幅広い時代にわたっています。

この博物館の所蔵品には、極めて貴重な品々が数多く含まれています。中でも、この修道院の創設者ブリテスの紋章は非常に芸術的価値の高いものです。17世紀から18世紀のキリストのコレクションや、「メルトラ（Mértola）の窓」も一見の価値があります。この「メルトラの窓」は、コンセイサン修道院の尼僧であったマリアナ・アルコフォラードとフランス将校であったシャミリー伯爵ノエル・ブトンの恋物語を今に伝えるものです。シャミリー伯爵は、ポルトガルの再独立に向けた戦いを助けるため、1666年に自分の隊を率いてベージャに駐屯していました。マリアナの報われない愛は5通の恋文に託され、このマリアナの書いた手紙は1669年にフランスで「ぽるとがる恋文」と題して出版されることとなりました。この手紙は、17世紀のポルトガル文学における重要な作品とされています。