美術館と宮殿

国立演劇博物館（Museu Nacional do Teatro）
夏の住まいとしてつくられた18世紀の小さな館を利用した博物館です。その19世紀の外装は、博物館用に大きく区切られた部屋の内装とよく調和しています。建物の周りにある庭園は、19世紀にここを所有していたアンジェジャ侯爵がつくったもので、リスボンでも美しい庭園のひとつです。

この博物館に足を踏み入れると、強い感情にいろどられた演劇独特の雰囲気が感じられます。館内にある実物大のセット、舞台衣装、衣裳部屋、小道具、主役たちの風刺画や写真、19～20世紀につくられた紙製のミニ劇場、そして数千枚に及ぶ写真を見れば、いつの時代にも変わらぬ舞台の不思議な魅力を感じることができます。外ではのんびりと歩きながら自然の魅力を堪能し、彫刻の庭園を眺めて楽しむことができます。

ここの一番の見どころのひとつは、舞台と演技に一生を捧げたポルトガルの偉大な俳優や女優へのオマージュです。その中には、エドゥアルド・ブラザンとローザ・イ・ブラザン劇団（1880－1898）、アメリア・レイ・コラソとレイ・コラソ・ロブレス・モンテイロ劇団、女優のヴィルジニア、アマリア・ロドリゲス、ヴァスコ、エンリケ・サンタナなどがいます。

約30,000冊を所蔵するここの図書館は、重要書の揃ったポルトガル最大の舞台芸術専門図書館です。