シントラ[Sintra]-アクセシブルプラン
シントラはリスボンの近くにあり、その歴史的、文化的価値や UNESCO の世界遺産として登録された目を奪われる美しい景観があることから、あらゆる旅行ツアーで必ず訪れたい場所です。
街の通りはしっかりと修復されており、中心部からアクセシブルルートが整っています。道路はスムーズで状態もよく、安全かつ便利に散策することができます。その一方で、近年改修されアクセスが容易になったエリアとは対照的に、古い町並みが残る場所では道が狭く急で、地面にはでこぼこした段差があります。
こちらで紹介するアクセシブルプランに含まれる場所では、交差点には縁石が設けられておらず道路と同じ高さですが、視覚障害者誘導用ブロックや音響式信号機は設置されていないのでご注意ください。テラスや木の周りの溝などには注意してお進みください。また、時折車が乗り入れる迂回路にも気を付けてください。ドクター・アルフレド・ダ・コスタ通り[Avenida Dr Alfredo da Costa]やドクター・ミゲル・ボンバルダ通り[Avenida Dr Alfredo da Costa]では迂回車両が来ることがあるのでご注意ください。
地図を見ながらお勧めルートを歩く
オルガ・カダヴァル文化センター[Centro Cultural Olga Cadaval](1)-シントラ美術館[Museu das Artes de Sintra](2)-ヴォルタ・ド・ドゥシェ/リベルダーデ公園[Volta do Duche / Parque da Liberdade](3)-シントラの王宮[Palácio Nacional de Sintra](4)-キンタ・ダ・レガレイラの館[Palácio e Quinta da Regaleira](5)
アクセシブルプランでは、シントラ美術館(Museu das Artes de Sintra (2))からスタートすることをお勧めします。この美術館は以前までカジノとして使用されていた建物の中にあり、コンテンポラリーアートを専門に展示しています。そのすぐ近くには、オルガ・カダヴァル文化センター(1)( Centro Cultural Olga Cadaval)があり、コンサートや映画、演劇、ダンスなどの幅広いプログラムを実施しています。一日の終わりにショーを観覧するのもお勧めです。
Museu das Artes de Sintra © José Manuel
アクセシブルなヘリオドロ・サルガド通り[Avenida Heliodoro Salgado]を進むと、エスタファニャ[Estefânia]の絶景ポイントからは山々や渓谷の素晴らしい景観が望めます。象徴的な円錐形の煙突を背に佇むヴィラ宮殿 [Palácio Nacional de Sintra]も見逃せません。そのままドクター・アルフレド・ダ・コスタ通り[Av.Dr Alfredo da Costa]を進むと、右手にシントラ市役所があります。シントラ市役所はネオマヌエル様式とネオルネッサンスの側面を併せ持つ興味深い建築物です。20世紀初頭の10年の間に当時完成したばかりの線路に合わせて建設されました。
Volta do Duche, Sintra © José Manuel
そして、アクセシブルルートはヴォルタ・ド・ドゥシェに沿って続きます。途中、コンテンポラリーアートの彫刻などを楽しむことができます。右側には、アンジョス・テイシェイラ美術館[Museu Anjos Teixeira]がある渓谷へと通じる階段があります。ビラ・ベリャ("古い町")として知られる歴史地区に着く前には、涼しく、陰のあるリベルダーデ公園(3)の入り口を通り過ぎます。この公共スペースは坂道があり一部アクセシブルとなっており、ピクニックや暑い夏の日の休憩所として最適です。
Sintra © Alan P. / Shutterstock
もう少し進むとネオアラビック様式の噴水があり、ヴォルタ・ド・ドゥシェの終わりには左手にニュースミュージアムがあります。右手に進み歴史地区とレプブリカ広場[Praça da República]に向かうと、シントラの王宮[Palácio Nacional de Sintra (4)]が見えます。ここはかつて王家の家族が夏を過ごした場所です。15世紀に初めて建てられ、以降何世紀にもわたって魅力を増してきたこのスポットはシントラの中でも必見です。サロンと各ベッドルームとの間にはいつも物語を感じることができ、また、施釉(せゆ)タイル(アズレージョ)[azulejo]の歩んだ歴史も辿ることができます。ここは16世紀頃にポルトガルで初めてアズレージョが使用された場所の一つです。周辺エリアはアクセシブルですが、正面玄関には一続きになった階段があります。傾斜台を使用できるロイヤルキッチンからご入場ください。入場後は支援を必要とする方へのサポートが整っているのでご安心ください。
Palácio Nacional de Sintra © Parques de Sintra - Monte da Lua / Luís Duarte
広場にはさまざまなテラスやカフェに誘われて、立ち寄ってケイジャーダ[queijadas]やトラヴェセイロ[travesseiros]などの地元の美味しいペストリーを食べてみたくなるでしょう。キンタ・ダ・レガレイラの館[Palácio e Quinta da Regaleira]へ行く前に、情報や支援が必要であれば観光案内所までお電話ください。
Quinta da Regaleira © Arquivo Turismo de Portugal
このルートは一部のみアクセシブルとなっていますが、キンタ・ダ・レガレイラの館[Palácio da Regaleira (5)]は訪れる価値があります。20世紀初めに大富豪により建てられたロマンティックな復古的スタイルの不思議なモニュメントです。フリーメーソンの組織に関連する象徴がそこかしこにあり、観光客をすぐに魅了してしまいます。
歴史地区の後は、シントラ山脈[Serra de Sintra]と遺跡が多く存在する"シントラ公園"[Parques de Sintra]まで足を延ばしてみてください。シントラ公園では、ペナ宮と公園[Palácio e Parque da Pena]、エドラ伯爵夫人のシャレー[Chalet da Condessa d’Edla]、ムーア人の城跡[Castelo dos Mouros]、モンセラーテの館と公園[Palácio e Parque de Monserrate]を見ることができます。アクセシブル対応の電気バスで行くことも可能です。バスでさまざまな観光地に行くことができ、車内には身体の不自由な方や特別な支援を必要とする方をサポートする資格を持った専門家が同乗しています。また、観光を手助けする多様な設備も用意されています。例えば車椅子の独立性を高める Swiss-Trac [Swiss-Trac] やポルトガルの手話通訳者とのビデオ通話サービス Serviin [Serviin]、そして音声と手話で情報を提供する Talking Heritage アプリがあります(詳細はトップページの「お役立ち情報」タブをご覧ください)。モンセラーテ[Monserrate]には建物の3次元模型が展示されており、触れたり建物内のレイアウトをご鑑賞いただけます。