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世界遺産 (ユネスコ) のピコ島のブドウ園文化の風景

Vinha da Ilha do Pico
場所: Ilha Do Pico nos Açores
写真: António Sá
Photo: António Sá

絶対のお勧め
  • 代表的な赤いドームの風車の横で写真を撮る。

玄武岩の上に育つワインを試飲してみませんか?そのような条件でかくも美味しい果汁が生まれるとは奇妙に思えますが、遠い昔、このワインが直接ロシア皇帝の食卓へ運ばれたことは紛れもない事実です。

ピコ (Pico) 島でのワイン栽培は、この島に最初に人が移住してきた15世紀後半に始まりました。栄養素が豊富な火山性土、荒々しく黒い石の壁により風から守られ、太陽により温められた、乾燥した暖かい微気候の坂のおかげで、ヴェルデーリョ (Verdelho) のさまざまなブドウの木は、この地で素晴しい熟成条件に恵まれています。そのワインは後年、ヨーロッパとアメリカの多くの国に輸出されるようになりました。そして、ロシア皇室のテーブルにも届けられるようになりました。この島の風景に点在するブドウ園では、クリスピーでフルーティ、ドライでマイルドなワインを生産します。それは、シーフードや魚の料理のお供に最適です。また、祭日のテーブルでは非常に人気のあるヴィーニョ・デ・シエイロ (vinho de cheiro) (部分発酵ワイン) も生産します。

ピコ島ブドウ園文化の景色を形作っているこれらの土地は、火山性の土地と先祖代々の栽培法を組み合わせており、2004年ユネスコにより世界遺産に登録されました。ラジド・ダ・クリアソン・ヴェーリャ (Lajido da Criação Velha) とラジド・デ・サンタ・ルジア (Lajido de Santa Luzia) は、このタイトルで示される土地を二分する技術の最たる例です。溶岩の岩盤の中に植えられたブドウの苗木は、「クライス」 (currais) と呼ばれる区画にある乾燥した石の壁の中にしっかり閉じ込められます。この石の壁が潮風から苗を守りつつ、熟成に必要な日光を取り込むのに役立っています。

ここには、この自然環境の一部である非常に多くの動植物があります。また、マカロネシア地域の特性であるこの土地特有の月桂樹林が豊富に存在しています。

ワインを育てる活動の証拠となる事実は他にもあります。例えば、ブドウと樽を運ぶ牛の馬車の車輪が残したわだち、「リヘイラス」 (Rilheiras) です。さらに、海岸沿いの港や入り江内には、海で浸食された斜面、「ローラ-ピパス」(rola-pipas) があります。それらに沿ってワインの樽は転がされ、最後にボートでファイアル (Faial) に運ばれて行きました。ワイン栽培と関連して建築された遺産もあります。大邸宅、ワインセラー、倉庫、検潮井戸、修道院、礼拝所などがそれで、いずれもピコ島に滞在中に足を運ぶ価値がある場所です。

この海沿いの巨大な石の迷宮のデザインを堪能したら、次はワインを味わう番です。ドライまたはスイートで気分が安らぐその味は、絵のようなワイナリーでこそよりいっそう美味しく味わえます。時々農村観光に組み込まれるピコのワイナリーでは、火山岩の壁が海と草原に密接に結びついています。ヴェルデーリョのサイクルの現存する記憶が、ワイン博物館の新しい章に反映されました。これは、旧カルメル修道院の中のマダレーナ (Madalena) の中にあり、道具、蒸留器、大桶などのコレクションを展示しています。リュウケツジュの葉の生い茂る森が、時の試練を耐え抜いたブドウ搾り器に景観の魅力を与えています。

長年素晴しい品質のワインを継続して生産してきましたが、ピコ・ワイン協同組合は最近、新しいワインを発表しました。その中で、特に「ラジド」(Lajido) は、古い「ヴェルデーリョ」 (Verdelho) の正統な後継者と言えます。また、独特の白と赤のテーブル・ワインもお勧めです。

ピコ・ワインには伝統があります。VLQPRD (強化ワイン)、アペリティフ、テーブル・ワイン、白、赤、ヴィーニョ・デ・シエイロ (Vinho de Cheiro)、アンジェリカ (Angélica)、ピコ・スピリッツはどのレストランや食料品店でも見つかります。そのため、簡単に試飲して持ち帰ることができるのです。



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