サン・ジョアン・ダ・マデイラの産業ツーリズム
サン・ジョアン・ダ・マデイラ (São João da Madeira) では、ポルトガルの伝統産業が今も継承されている様子を見学する、一味違う観光を体験できます。
この観光の見学対象は、今なお受け継がれ、地元の歴史の一部となっている古くからの地場産業です。あらかじめ用意された産業遺産コースもありますが、お好みの見学ルートを自分で計画することも可能です。
まず、帽子博物館(Museu da Chapelaria)は必見です。帽子製造業を重要な地場産業に育てた人々に敬意を表して作られたもので、同種の博物館はイベリア半島では他にありません。帽子を身につけることが流行した時代を振り返るなら、次にFepsa(フェプサ)を訪れましょう。この会社は、帽子用のフェルト製造を専門に行い、世界一流ブランドや演劇・映画界と強いつながりを持っていました。ハリウッド映画に登場した帽子の多くは、ここから来ました。
アナウサギ、ノウサギ、ビーバーの皮から作られる原材料の準備は、コルタドリア・ナシオナル・デ・ペロ (Cortadoria Nacional de Pelo) で行われました。ここでは作業工程全体を見学できます。一方、Heliotextil(エリオテシュティル)では、ラベルやリボン、その他日常着の一部となるアイテム等、テキスタイルを使った小物の製造技法を説明してくれます。ここは、サッカーのビッグクラブにユニフォームを提供する主要サプライヤーのひとつです。 Flexitexにお立ち寄りください。そこでは、ベッドのニットカバーやジャガード織りカバーを製造しています。糸の調製から最終製品に至るまでの全工程を見学できます。 ベルトはBelcintoで。ここでは、1960年代以降全国にベルトを供給し、今やとりわけ財布、バッグ、ハンドバッグの製造までしています。
ユニークなのはViarco。知る価値のある歴史的鉛筆メーカーです。1907年に創業したこの会社は、その手作業工程を守り、黒鉛筆と色鉛筆の製造につながるあらゆる秘密を守っています。 Bulhosasは、1935年に創業し、接着ラベルや、コートハンガー、ステープル、カップホルダーその他のありとあらゆるプラスチック部品の製造に注力しています。 Molaflexでは、ポルトガルのスプリングマットレス製造のパイオニアであり、ブランドは、1950年代以降スペイン、イギリス、ブラジルなどの市場で話題に上っています。そしてMonte Campoは、1970年代以降、スポーツとアウトドアレジャー製品、主にバックパックの分野のマーケットリーダーになっています。
サン・ジョアン・ダ・マデイラは、ポルトガルのビジネス地図で常に著名な場所を占めており、とりわけフットウェアの分野で世界中に輸出しています。Centro de Formação Profissional da Indústria do Calçado (フットウェア産業訓練センター)で過去のハンドメイドツールと機械を知り、Centro Tecnológico do Calçado de Portugal (ポルトガルフットウェア技術センター)で試験機関の仕事を見学することができるでしょう。
サン・ジョアン・ダ・マデイラへの訪問を最高の体験にするには、 Torre Olivaの Welcome Center で始めるのが確実です。古いOliva縫製機械工場は、現在街の最も象徴的な歴史的建築物の1つであり、冶金産業についてのテーマ順路を収容しています。 そこでは博物館への訪問を予約できます。現代アートと生アートをテーマとするCentro de Arte Oliva の訪問予約をすれば、個人に合わせた順路設定でツアーガイドのサポートを受けられます。