アレンテージョ


西の海岸に沿って、ロータ・ヴィセンティーナ (Rota Vicentina) に向かいましょう。険しい断崖絶壁の間に海が見えてきます。時には、見渡す限りに咲き誇る野草が出迎えてくれるでしょう。これ以上に散策を楽しめる場所があるでしょうか…このハイキング・コースはヨーロッパで最も美しく、保護されている沿岸地域にそって400 ㎞ 近く伸びています。

世界で最も巨大な要塞として、エルヴァスは歴史を通してポルトガルの国境線の防衛に重要な役割を果たしてきました。そしてこの事実により、世界遺産に指定されています。この複合建築物のそれぞれ違う時代に作られた城壁の数々や、要塞に駆使されている変わった築城術が多くの旅行者の関心を引いています。また、この要塞には15世紀の終わりに建てられたアモレイラ水道橋[Aqueduto da Amoreira]も含まれています。

ワイン生産地として長い伝統を誇るアレンテージョのワインは、その風景と料理と同じくらい独特です。その品質の高さと独特の香りと色に驚かれることでしょう。地平線が果てしなく広がるアレンテージョは、強く耐用性のあるコルク樫が根付く土地で、かつては小麦畑が広がっていました。現在、小麦畑は広大なブドウ園と変わり、その広大な土地と熱を利用して生産されるワインは、ポルトガルでも最高のワインの1つと称されています。

ポルトガルには、生物学的および文化的多様性の保存が経済的・社会的発展と調和し、人と自然が調和を保っている生物圏保護区としてユネスコに認定された12の地域があります。これら12の自然空間は、ユネスコ世界生物圏保護区ネットワークの一部であり、さながら生きた研究室のようです。主な目的は、景観、生態系および種の保存に加えて、社会的、経済的、文化的そしてエコロジカルなレベルでの持続的な発展があります。